小柳ルミ子と大澄賢也が結婚報告
小柳ルミ子と大澄賢也は1月6日に東京プリンスホテルで記者会見を開き、この日入籍したことを報告した。小柳ルミ子が『わたしの城下町』『瀬戸の花嫁』など数々のヒット曲により誰もが知るスターであった一方、大澄賢也は駆け出しの若きダンサーでその存在を知る者は世間にほとんどいなかった。
前年の昭和63(1988)年12月にディナーショーの共演者として知り合い、小柳が「ひょっとしたら結婚するんではないか」と感じた通り、一カ月後に入籍となった。
昭和の時代、夫婦の形といえば、男性が家庭を支える柱であり女性はその背後で支援する存在とみなされていた。そんな中で、妻が十三歳も年上であることや、妻が大スターで夫が無名であることは新時代の到来を予感させた。しかし一方で、マスコミはそれを騒ぎたてたし、実際に世間は騒いだ。騒ぐような要素ではないが現に騒いだ、ということも時代のはざまの象徴的事実で、彼らの結婚は昭和の価値観に対する一つの挑戦でもあった。
そののち、平成の時代に入っても遅々として進まぬ男女不平等の是正と相似するように二人は十一年後に離婚するが、もちろんそのことは日本社会を象徴してなどいない。単に相似形であるだけだ。